夫婦関係が破綻していた場合の考え方

最終更新日: 2026-09-13

この記事の結論

  • 交際開始時に相手の夫婦関係がすでに破綻していたと考えられる場合の慰謝料の考え方を整理します。
  • 破綻の判断要素や整理しておきたい事情を解説します。
  • 本記事では、まず確認したい結論/よくあるケース/相談前に整理すべきこと を扱っています。

「相手は別居中だと聞いていた」「離婚間近だと言われていた」という状況で慰謝料を請求され、戸惑っている方は少なくありません。この記事では、夫婦関係の破綻という考え方と、主張する場合に整理しておきたい事情をまとめます。

まず確認したい結論

  • 交際開始時に相手の婚姻関係がすでに破綻していたといえる場合、慰謝料責任が否定される余地があるとされています
  • ただし「破綻」は厳格に判断される傾向があり、単なる不仲や口頭の説明だけでは認められにくいといわれています
  • 破綻を主張するには、別居や離婚手続きの進行など客観的な事情の整理が重要です
  • 破綻といえるかどうかの見通しは事案により異なりますので、弁護士にご相談ください

よくあるケース

  • 「妻とは別居していて離婚協議中だ」と聞いて交際を始めたら、後日配偶者から請求された
  • 相手夫婦は長年家庭内別居の状態だったと聞いていた
  • 離婚調停中だと説明されていたが、実際には調停を申し立てていなかった
  • 交際開始後に相手夫婦の関係が悪化し、「交際が原因だ」と主張されている

相手の説明と実際の夫婦関係が食い違っているケースも多く、まずは事実関係の確認が必要です。

相談前に整理すべきこと

  • 交際が始まった時期(破綻の有無は交際開始「時点」が基準になるとされています)
  • 相手夫婦の別居の有無・別居開始時期・別居の経緯
  • 離婚協議・調停・訴訟が進んでいたか、その時期
  • 相手が夫婦関係についてどのように説明していたか(時期と内容)
  • 交際開始後、相手夫婦の関係に変化があったか

「交際開始前から破綻していたか」と「交際後に悪化したか」は区別して整理しましょう。

確認しておきたい資料・証拠

  • 相手が別居や離婚協議について説明していたLINE・メールなど
  • 別居の事実をうかがわせる資料(相手の住まいに関するやり取り等)
  • 離婚調停・訴訟に関する話題が出ていたメッセージ
  • 交際開始時期が分かる記録(初めて会った日のやり取り等)

相手本人の協力が得られる場合は、別居時期や離婚手続きの資料について確認できることもありますが、口裏合わせと受け取られる連絡は避けましょう。

やってはいけないこと

  • 「破綻していたはずだから問題ない」と自己判断で請求を放置する(訴訟リスクがあるため注意が必要です)
  • 相手の配偶者に対し「あなたたちの関係はもう終わっていた」などと感情的に反論する
  • 不倫相手と示し合わせて事実と異なる説明を作る(矛盾が生じた場合に不利に働くおそれがあります)
  • 破綻の根拠を確認しないまま示談書に署名する
  • 相手の家庭の事情を調べる目的でも、無断ログインなどの違法な手段で情報を集めることは禁止されており、絶対に避けてください

弁護士に相談する流れ

  1. 交際開始時期と相手夫婦の状況を時系列で整理する
  2. 相手の説明が残る資料を保全する
  3. 法律事務所の初回相談を予約し、破綻主張の見通しを確認する
  4. 弁護士の判断のもと、回答書や交渉で主張を伝える
  5. 交渉がまとまらない場合の選択肢(調停・訴訟等)も確認しておく

破綻の主張は認められるハードルが高いとされる一方、金額の交渉材料として考慮される場合もあります。進め方は弁護士と相談して決めましょう。

よくある質問

夫婦関係が破綻していれば慰謝料は発生しないのですか。

交際開始時にすでに婚姻関係が破綻していたといえる場合、慰謝料責任が否定される余地があるとされています。破綻の認定は事案により異なるため、弁護士にご相談ください。

「破綻」とは具体的にどのような状態ですか。

長期間の別居や離婚協議の進行など、婚姻関係の修復が困難な状態を指すとされています。単なる不仲だけでは認められにくいといわれています。

相手から「離婚する予定だ」と聞いていました。これで破綻といえますか。

口頭の説明だけでは破綻の裏付けとして弱い場合があるとされています。別居の有無や離婚手続きの進行状況など、客観的な事情の確認が大切です。

破綻を示す資料にはどんなものがありますか。

別居時期が分かる資料、離婚調停の係属が分かる書類、相手が夫婦関係について説明していたメッセージなどが手がかりになるとされています。

破綻していたと思うので請求を無視してもよいですか。

無視は訴訟などのリスクがあるため避けたほうがよいとされています。破綻の主張は適切な形で伝える必要があるため、弁護士への相談をおすすめします。

まとめ

夫婦関係の破綻は、慰謝料請求への反論として検討され得る考え方ですが、認定のハードルは低くないとされています。大切なのは、交際開始時点の客観的な事情を整理し、裏付けとなる資料を保全することです。主張できるかどうかの見通しは、自己判断せず弁護士に確認しましょう。

次のステップ

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断や慰謝料の獲得・減額・解決を保証するものではありません。具体的な対応は弁護士にご相談ください。

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この記事の監修弁護士

松本 理平 弁護士

第一東京弁護士会 登録番号 55199

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