「示談書にサインしたのに、相手からまた連絡が来た」または「もっと多く請求できたはずなのに、示談書にサインしてしまった」——示談後の再請求の問題は、請求する側・された側の双方にとって生じることがあります。この記事では、示談後の再請求が可能かどうかを整理します。
まず確認したい結論
- 清算条項のある示談書にサインした後は、原則として同じ問題についての再請求はできない
- ただし錯誤・詐欺・強迫による無効の主張など、一部例外的なルートがある
- 清算条項がない示談書の場合、再請求の余地が残ることがある
- 示談後に相手から再請求が来た場合も、清算条項を根拠に対応できるケースがある
- どちらの状況でも、まず弁護士に示談書を見せて確認してもらうことが最初のステップ
清算条項がある場合
清算条項(「本件に関してお互いに何らの債権・債務もないことを確認する」旨の条項)がある示談書にサインすると、原則として同じ問題についての追加請求は法的に困難になります。
再請求が難しくなる状況の例(請求側)
- 示談後に「もっと高額の慰謝料を請求できたはずだった」と後悔した
- 示談の交渉中に弁護士に相談しなかったため、相場より低い金額で合意してしまった
- 示談後に、不貞行為がさらに長期間続いていたことが判明した
こうした場合でも、清算条項があれば原則として追加請求はできません。
例外的に無効が主張できるケース
以下のような場合は、示談の合意そのものの取り消し・無効を主張できる可能性があります。
- 詐欺:相手が事実を偽って示談に合意させた(例:不貞の期間が短いと嘘をついていた)
- 強迫:不当な脅しによってサインを迫られた
- 錯誤:重要な事実について双方が誤解していた状態でサインした
こうした主張は立証が難しく、ケースバイケースの判断が必要です。弁護士に状況を確認してもらうことが重要です。
清算条項がない場合
示談書に清算条項が明記されていない場合、同じ件について追加請求できる余地が残ることがあります。
ただし、「示談書の合意内容」によっては、実質的に清算の合意があったと解釈される場合もあります。示談書の文言全体を弁護士に確認してもらうことが重要です。
示談後に相手から再請求が来た場合
請求された側の立場で示談書にサインしたが、相手から再び請求が来た場合:
- 示談書(特に清算条項)の内容を確認する: 相手の主張が清算条項の範囲外かを確認
- 相手の請求根拠を確認する: 示談書の対象外の別の法的根拠(例:配偶者からの別途請求)かを確認
- 弁護士に相談する: 示談書を持参して、相手の請求に対応できるかを確認
清算条項がある場合は、示談書を根拠に相手の再請求に対応できることが多いですが、相手がどのような根拠で請求してきているかにより対応が変わります。
サイン前に弁護士のチェックを受けることが、こうしたリスクを最も効果的に防ぐ方法です。
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