既婚者だと知らなかった場合の慰謝料請求

最終更新日: 2026-06-10

この記事の結論

  • 交際相手が既婚者だと知らなかったのに慰謝料を請求されたときの考え方を整理します。
  • 故意・過失という視点や、知らなかったことを示す資料の例を解説します。
  • 本記事では、まず確認したい結論/よくあるケース/相談前に整理すべきこと を扱っています。

「独身だと聞いていたのに、突然配偶者を名乗る人から慰謝料を請求された」という相談は少なくありません。この記事では、相手が既婚者だと知らなかった場合の慰謝料の考え方と、相談前に整理しておきたいポイントをまとめます。

まず確認したい結論

  • 不貞行為の慰謝料は、一般に「故意または過失」がある場合に問題になるとされています
  • 既婚者と知らず、通常の注意でも知り得なかったといえる場合、責任が否定される余地があるとされています
  • 「知らなかった」と主張するには、当時のやり取りなど裏付けとなる資料の保全が重要です
  • 故意・過失の評価は専門的な判断を伴うため、弁護士への相談をおすすめします

よくあるケース

  • マッチングアプリで「独身」と表示されたプロフィールの相手と交際していた
  • 「離婚した」「独身だ」と説明され、信じて交際していた
  • 交際後しばらくしてから既婚者だと気づいたが、関係の整理に時間がかかった
  • 相手の配偶者から突然、内容証明やSNSで請求の連絡が来た

知らなかった場合でも、「会うのが夜だけだった」「自宅を教えてもらえなかった」など、気づくきっかけがあったかどうかが争点になることがあります。

相談前に整理すべきこと

  • 相手と知り合った経緯(アプリ・職場・紹介など)
  • 相手が自分の婚姻状況についてどう説明していたか(時期と内容)
  • 既婚者だと知った、または疑いを持ったのはいつか、そのきっかけ
  • 知った後の対応(関係を解消したか、続いたか)
  • 交際中に「既婚を疑わせる事情」があったかどうか(連絡が取れない時間帯、自宅に行けない等)

時系列で書き出しておくと、故意・過失の検討がしやすくなります。

確認しておきたい資料・証拠

  • 「独身」「離婚済み」といった相手の説明が残るLINE・メール・DM
  • マッチングアプリのプロフィール画面(スクリーンショット)
  • 交際の経緯が分かる写真・予定のやり取り
  • 既婚と知った時点の反応が残るメッセージ(問い詰めた記録など)

アプリの退会やメッセージ削除でデータが消えることがあるため、早めにスクリーンショット等で保全しておくことが望ましいとされています。

やってはいけないこと

  • 動揺して「申し訳ありませんでした」など事実関係を認めるような返信を送る(知らなかった事情に触れないまま謝罪すると不利に働くおそれがあります)
  • 請求を無視して放置する(訴訟リスクがあるため注意が必要です)
  • 相手(交際相手)と口裏合わせのやり取りをする
  • アプリのアカウントやトーク履歴を削除する
  • 請求書面の金額のまま、その場で支払い・署名をする

「知らなかったのだから関係ない」と自己判断で放置することにもリスクがあります。主張は適切な形で伝えることが大切です。

弁護士に相談する流れ

  1. 上記の時系列メモと資料(スクリーンショット等)を準備する
  2. 法律事務所の初回相談を予約する
  3. 「知らなかった」事情と裏付け資料を弁護士に説明する
  4. 故意・過失の見立てと、回答書・交渉の方針を確認する
  5. 必要に応じて、独身と偽っていた相手への対応も併せて相談する

知らなかった事情の評価は資料の内容に左右されるため、手元の記録はできるだけ多く持参しましょう。

よくある質問

既婚者と知らなければ慰謝料を払わなくてよいのですか。

不貞行為に基づく慰謝料は、一般に故意または過失がある場合に問題になるとされています。知らず、知り得なかったといえるかは事情によるため、弁護士にご相談ください。

「知らなかった」はどうやって示せばよいですか。

独身と説明されていたメッセージ、マッチングアプリのプロフィール、交際の状況などが手がかりになるとされています。残っている資料を保全しておくことが大切です。

知らなかったのに請求書面が届きました。無視してよいですか。

無視は訴訟などのリスクがあるため避けたほうがよいとされています。事情を整理したうえで、回答方法を弁護士に相談することが望ましいです。

途中から既婚者だと知った場合はどうなりますか。

知った後も関係を続けた期間については、責任が問題になり得るとされています。評価は事案により異なりますので、時期を整理して弁護士にご確認ください。

騙していた相手に対して何か請求できますか。

独身と偽られて交際していた場合、事情によっては相手への請求が問題になることもあるとされています。可否や見通しは弁護士にご相談ください。

まとめ

相手が既婚者だと知らなかった場合、故意・過失の有無が重要な検討ポイントになるとされています。鍵になるのは、当時の説明ややり取りを示す資料です。証拠を保全し、時系列を整理したうえで、自己判断で回答する前に弁護士へ相談してみてください。

次のステップ

本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断や慰謝料の獲得・減額・解決を保証するものではありません。具体的な対応は弁護士にご相談ください。

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この記事の監修弁護士

松本 理平 弁護士

第一東京弁護士会 登録番号 55199

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