示談書を受け取って「清算条項」という言葉が出てきたとき、その意味を正確に理解しないままサインしてしまうと、後から後悔するリスクがあります。この記事では、清算条項の意味・効果・サインする前に確認すべきポイントを整理します。
まず確認したい結論
- 清算条項とは「この示談でお互いの権利・義務は全て終わり」という意味の条項
- サインすると原則として同じ問題について追加請求できなくなる(請求する側にとっても重要)
- サイン前に「この清算条項で自分にとって不利な点がないか」を確認することが必須
- 条項の範囲を文言で限定することが交渉によって可能な場合もある
清算条項の典型的な文言
示談書に記載される清算条項の典型例は次のようなものです。
「甲と乙は、本合意書に定めるほか、本件に関して何ら債権・債務のないことを相互に確認する」
または
「甲乙間には、本合意書に定める事項のほか、いかなる債権債務も存在しないことを確認する」
これにより、示談書にサインした後は同じ問題について新たな請求が原則としてできなくなります。
請求する側が注意すべき点
清算条項にサインした後、以下のような状況が生じても追加請求は原則困難になります。
- 示談後に、実は不貞行為が長期間続いていた事実が発覚した
- 示談書に含めなかった別の損害が後から判明した
- 相手の不誠実な対応に怒りを感じ、追加の慰謝料を求めたくなった
サイン前に証拠・事実の確認を全て終えておくことが不可欠です。
請求された側が注意すべき点
清算条項があっても、全ての問題が完全に終わるわけではない場合があります。
- 「清算条項の対象範囲」が文言によって限定されている場合、対象外の問題で追加請求が来る可能性がある
- 相手の配偶者(不倫の被害者配偶者)からの請求は別途問題になることがある
- 清算条項の対象が「本件のAに対する請求」に限定されており、配偶者への請求が別途ある場合
サイン前に確認すべきポイント
- 清算条項の「対象範囲」: 「この件について」だけか、それとも全ての関係についてかを確認
- 口外禁止条項との関係: 清算条項と口外禁止条項が組み合わさっている場合の意味を理解する
- 支払い条件との整合性: 分割払いの場合、清算条項がどの時点で発効するかを確認
- 「強迫・錯誤による無効」の可能性: 冷静な状態でサインしていなかった場合の対応
示談書はサインしてしまうと変更が非常に困難です。弁護士に示談書の内容を確認してもらってからサインすることを強くおすすめします。
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