示談書にサインして、「口外禁止条項」があると知ったとき——「では家族には話せないの?」「SNSに匿名で書いたらアウト?」という疑問が生まれる方は多いです。この記事では、口外禁止条項の意味・違反した場合のリスク・知らなかった場合の対処を整理します。
まず確認したい結論
- 口外禁止条項に違反すると、違約金の支払い義務や損害賠償請求を受けるリスクがある
- SNSへの投稿、職場・知人・家族への話が「違反」にあたるかは条項の文言次第
- 弁護士への相談は一般的に例外とされるが、条項の文言は要確認
- サイン前に範囲の限定を交渉できる場合がある
口外禁止条項の典型的な文言
示談書によく見られる口外禁止条項の例:
「甲および乙は、本件の内容および本合意の存在について、正当な理由なく第三者に開示・漏洩してはならない」
または
「甲乙は、本件に関する一切の事項を第三者に口外しないことを確約する。違反した場合、金○○円の違約金を支払う」
「第三者」の範囲・「正当な理由」の解釈により、何が違反になるかが変わります。
違反となり得る行為
SNSへの投稿
- 匿名であっても、当事者を特定できる情報(状況・時期・関係性など)を含む投稿は違反と主張される可能性がある
- 「〇〇された」「あの人が」など特定できる文脈がある場合は特に注意
職場・知人・家族への話
- 「第三者」に家族が含まれるかは文言次第
- 「配偶者への告知は除く」などの例外が明記されていない場合、家族への話も違反のリスクがある
- 職場への話(職場の人間関係を通じた拡散)も違反になりやすい
ブログ・掲示板・口コミサイト
- 匿名投稿でも、当事者が特定できるなら違反リスクが高い
違反した場合のリスク
1. 違約金の支払い
示談書に違約金額が明記されている場合、違反が認定されると支払い義務が生じます。
2. 損害賠償請求
違約金が定められていない場合でも、口外禁止違反により相手が受けた損害(名誉毀損・プライバシー侵害など)について別途損害賠償請求を受ける可能性があります。
3. 示談無効の主張(相手側から)
重大な違反の場合、相手が「示談は無効」と主張して追加請求に動くケースもあります。
サイン前にできること
口外禁止条項の範囲を交渉で絞ることが可能な場合があります。
- 「直系家族(親・子)への相談は除く」 を文言に追加する
- 「弁護士・医師等の専門家への相談は除く」 を明記する
- 「SNSや第三者への公表禁止」に限定し、家族への話は含めない文言にする
こうした調整はサイン前の交渉段階でしか求められません。サインした後では変更は困難です。
「この条項の範囲が広すぎると感じる」「家族には相談したい」という場合は、弁護士に示談書の内容を確認してもらい、必要な修正を求めることをおすすめします。
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